疲れた時や筋トレ後にはアクティブレスト

1.はじめに

 ウェイトトレーニングなどで激しい運動して筋肉に刺激を与えた後、次のトレーニングを行うまでに、速やかに筋肉を回復させておく必要があります。

 

 疲労した状態で再び強度の高いトレーニングを行うと、いわゆるオーバートレーニングの状態になって、トレーニングの効果も低下し、ケガにも繋がる場合もあります。

 

 その休息する期間、何もせずに回復させるよりは、軽度の運動をする方が効果があると言われています。

 

 この「軽い運動をすることで、疲労回復をうながすこと」を、アクティブレストと言います。

 

 アクティブレストには「積極的休養」という意味があり、スポーツ界で主に取り入れられています。


2.で、どんな効果があるの

 高強度のトレーニングを行った後、筋肉には乳酸が溜まっていきますが、乳酸が溜まると血行を悪くさせ疲労の原因につながります。

 

 この乳酸はできるだけ早く取り除きたいものですが、乳酸を放置したままにしておくのですから、トレーニングの影響がのこって疲労回復が長引いてしまうということになります。

 

 この時にアクティブレストを目的として軽度の運動を行うと、血液の流れも活発となって栄養や酸素がながれこんでくるので、それによって乳酸などの疲労物質を除去していきます。

 

 そして疲労物質が除去されれば、体の疲労回復も促進されて筋肉の発達もしやすくなります。

 

 また、高強度のトレーニングの後に軽度の運動やストレッチを行うことで筋肉の弾性や柔軟性を高めることができ、心身をリラックスさせる効果もあります。

 例えば、サッカーのJリーグでは、発足年目3年目の1995年当時は週二回の試合を行うという過密スケジュールで、選手の疲労回復に悩んで試行錯誤していたそうです。

 

 試合翌日は完全休養が常識だった時代でしたが、「アクアビクス」等軽い行わせると、パフォーマンスの向上やケガも減ったという結果が出たそうです。

 

 現在、「アクティブレスト」はスポーツ界の常識となって根付いております。


3.「アクティブレスト」が使えるのは運動後だけじゃない!

 当サイトはダイエットや筋トレに関するサイトですので、運動関連ばかりになってしまいますが、「アクティブレスト」が使えるのは日常でも使えるものなのです。

 

 仕事での溜まったストレスや疲労を回復させるために、帰宅したらお酒を飲んで寝てしまう。

 

 休日はずっと遅くまで寝ている。

 

 これらはありがちな光景だと思いますが、そこで「アクティブレスト」として軽い運動を行うことで、心身のリフレッシュや早い疲労回復効果が期待できるようになります。

 

「アクティブレスト」は一般の生活にも応用できるものなのです。

4.じゃあ、どんな運動すればいいの

 アクティブレストは筋肉を酷使するような強度を高めに設定した運動ではなく、「軽い運動」でなければなりません。

 

 ・週3,4回、1回あたり30~60分程度

 ・ウォーキング、ハイキング、サイクリング、マッサージ、水泳、ヨガ、ストレッチ等肉体への負担が少なく、自分のペース

 で行えるもの

 ・お風呂につかる

 

 などが効果的と言われています。 

 

 あくまで疲労回復を目的とした運動ですから、リラックスして行えるので気分転換にもなります。

 

 特にストレッチは体の柔軟性を高め、血行促進効果もあるので疲労回復も進みやすいとされています。

 

 ストレッチの目安としては1種目20~30秒が目安でそれを1~3回程度。

 

 自重トレーニングは比較的回復が早いとされているので、「毎日行ってもよい」とされていますが、一般的に筋力トレーニングは週に2から3回が効果的とされています。特に超回復期は消極的に休むのではなく、「アクティブレスト」を目的とした軽い運動をしてはいかがでしょうか

ハイキング、山登り
ハイキング
水泳
水泳

ストレッチ
ストレッチ
ヨガ
ヨガ



参考

山本利春著「疲れたときはからだを動かすーアクティブレストのすすめ」

アイアンマン2018年No331号