筋トレする上でちょっと意識しておきたいこと、その1
トレーニングをする。
そういっても、まず何をしたら良いのか、トレーニングをしていく中で迷う方もいるのではないかと思います。
これはあった方がいい。やっておいた方がいい。
あれ、何だか他の人と聞いたのと違うな等々……。
トレーニングをしていく上で、ちょっと意識して欲しいものがあります。
はじめに~意見の異なる時がある~
書籍、雑誌によって意見が異なる場合がございます。
例えば
早朝にトレーニングを行うのは危険。いや、早朝にこそ行うべき。
鍛えるのは上半身から。いや、下半身からだ。
などといったものです。
人によって筋肉のつき方が異なるように合う合わない、生活スタイルの違いというものもあります。
先輩たちが調査実験などして得た答えですからその意見は尊重すべきですが、人によって筋肉のつきかたや代謝も異なります。
自分で行ってみて色々試行錯誤し、よりよいトレーニング方法を見つけてもらいたいと思います。
上から鍛えよう
下から鍛えよう
次に~用意しておきたいもの~
ダンベル
自宅でのトレーニングで行う場合、トレーニングメニューとしては、自重トレーニングが多くなるかと思われますが、筋肉というものはある一定の負荷を続けた場合、工夫しないとそれ以上の効果が得られにくくなってしまう性質があります。
より効果を得るため、負荷も漸進的に増やしていく必要があるので、ダンベルがあると非常に助かります。
布袋と2ℓの水入りペットボトル
「ダンベルは高い重い危険」と、扱うことにためらってしまう方は、布袋2枚と水入りペットボトルを袋の中に筋力に適した本数を入れて代用したものが良いでしょう。
直接ペットボトルを持つと握りが悪くて、変に握力を使います。袋の取っ手や袋の口を持てば、握力に自信のない方でも扱いやすくなります。
ビニール袋でも構いませんが、性質上破れやすいものですから、百均程度の布袋が良いと思われます。
持ち方その1
持ち方その2
袋の持ち方次第で床についてしまい、力が逃げてしまう場合もあるので種目ごとに持ち方も考えておく必要があります。
※ 詳細は怪しいマスクマンによる「エコバッグトレーニング」で。
効率良く脂肪燃焼するには「筋トレ」→「有酸素運動」で
最初から脂肪が燃焼されるわけではなく、体内のブドウ糖やグリコーゲンが不足してから脂肪が使われると言われます。
筋トレという無酸素運動は主にこれらのエネルギーを使うので、筋トレを先に行っておくと体も脂肪燃焼しやすい状態になります。
→脂肪については「脂肪についてあれこれ」で
参考書籍
佐藤 義昭著
「誰も教えなかった本物のダイエット」
最初は30分間ウォーキングをできるだけ毎日続ける。
運動経験がほとんどない人は最低2週間はウォーキングを続けよう。
最初の2週間は走ってはダメ、我慢する。
谷川真理監修「マラソン完走BOOK」より
はじめはウォーキングを2週間を目標に。
ウォーキングを始めとした有酸素運動は脂肪燃焼や健康づくりに適切な運動ですが、急に運動と言っても「昨日まで運動なんてほとんどしていなかった」という方には難しいものがあるかと思います。
眠っていた体を目覚めさせるのですから、無理をせず段階的に運動を始めることが大事です。
運動経験がない人、5年10年とブランクのある人は、回数は少なくても良いのでフォームを意識した筋トレの他に、2週間毎日ウォーキングを続けていくとよいとされています。時間がつくれないという方は「足を使う生活」を意識していくと血流や細胞の活動も活発になります。
足を使う生活・参考例
・ エレベーターではなく階段を昇り降りする
・ 活発にこどもと遊ぶ
・ 買い物は歩いていく
・ 荷物を手で運ぶ
・ 散歩をするなど外へ出る
・ 仕事中はきびきびテキパキ大きな動作
・ 日曜大工など
カルボーネン法で目安となる自分の運動強度を計算してみましょう。
以下の安静時心拍数と最大心拍数、そして目的別レベル表の数値から求めます。
・安静時心拍数:横になったまま、もしくは座位で15分安静後の60秒間の脈拍。
・最大心拍数:(220-年齢)を1分間の脈拍とします。
目標心拍数=(最大心拍数ー安静時心拍数)✕目的別レベルの%+安静時心拍数
【計算例】
男性40歳、安静時心拍数60回/分、目的別レベル50%の場合
最大心拍数:220-40(歳)=180回/分
目標心拍数:(180-60)✕0.5+60=120回/分
運動中は120を上回ることのないように注意すべき目安となります。
計算が億劫だなと感じる方は……。
まずは2週間、30分を目安に歩いてみましょう。
2週間過ぎて慣れてきたら、30分のうち5分、10分、15分とランニングの時間を増やしていき、筋力トレーニングや心肺機能向上に努めていきます。
どれくらいの速さで行えばいいか。
中高年の方の場合は、最大能力の50~60%強度の運動を定期的に継続することにより、良い結果が得られやすいと言われています。
目安で言うと、やや速いくらいの1時間のウォーキングを
「1週間あたり3~4日」
「あるいは30~40分ウォーキングを毎日行うこと」
により十分な代謝の改善がみられると言われています。
※ 公認スポーツ指導者養成テキスト「スポーツと健康」より。
ウォーキングより強度がもう一つ上の運動に、ジョギングがあります。ジョギングの定義は、「運動中に談笑ができる程度の速度」とされてます。
ですが、ジョギングだと着地する際に、足に負担が大きくかかってしまいます。
まずは跳ねない程度、速さとしては談笑ができる程度を意識し、
「楽である」~「ややきつい」
の間を目安に運動していくと良いでしょう。
筋力トレーニングは「10回×3セット」から
初心者の方は
初心者が最初のウェイトを選ぶ場合は1セットで連続15回動作できる重量を選び、そのウェイトで10回✕3セットを行うこと
おおよそ6、7割の回数
が基本となりますので
自重トレーニングの場合は連続10回腕立て伏せができるなら6回から7回。
と、比較的軽めの重量や回数でフォームづくりをしていくと良いでしょう。
ダンベルの他、エコバッグに入れたペットボトルなどを用いて、フォームと筋肉への刺激を意識してみましょう。
→主なメニューはエコバッグトレーニングへ
慣れてきたら、筋肉に追い込みをかけてみよう!
「1セットでこの回数がやっとという負荷」に対して〝RM〟という言葉が使われます。
10回がやっとというなら10RMという意味です。
アメリカのスポーツ科学Kraemerらによって体系化された表では
・1~5RMは「筋力強化」
・8~12RMは「筋肥大」
・15RMは「筋持久力」
と言われ、上記が限度の回数で行うと目的の筋肉が鍛えられるとされています。
ダンベルなどを器具を用いたメニューの一例ですが、重さに慣れたら以下のようなメニューで行ってみましょう。
疲れてきて2,3セット目が9回8回と落ちてきても構いません。
3セット10回すべてできるくらいになれば扱う重量を増やしていきます。
こちらはトレーニングに慣れてきて、さらに追い込みたい場合に行ってみてください。
自重トレーニングを行う場合の意識する点
自重トレーニングは体に掛かる負荷が少ないので、できる数までとされています。
スクワットが20回が限界なら20回行います。
また回復も早いのでセット間の休憩もマシンやウェイトよりも30秒から1分と短めに設定します。
動作もリズムや速さよりも、筋肉の収縮を意識して行うと刺激を感じやすいです。
上記セットの流れで言うと、腕立て伏せの場合、残りは「膝をつく」などで腕立て伏せを行うと、胸に追い込みをかけやすいです。
既に書いたように、はじめはできる数の6~7割ほどに設定し、フォームと鍛える筋肉への刺激を意識しながら3セットを行ってみましょう。
慣れてきたらできる数まで行ってみましょう。
動作の速度について
筋力トレーニングで初心者がフォームの習得を目的とした場合にはウェイトを上げる動作を3カウント、下ろす動作を3~4カウントを目安としてゆっくりとした動作で行います。
その後、トレーニング経験を積んだ選手では、筋肥大を目的とした場合には、上げる動作を2カウント、下ろす動作を2~3カウントの動作で行います。
筋力やパワーの向上を目的とした場合、上げる動作では出来るだけ素早く、下ろす動作は1~2カウント一定スピードで行います。
正確に数えるのは難しいと思いますが、ゆっくり数える感覚で行ってみましょう。
初心者の方は数よりも、フォーム習得に合わせたスピードでゆっくり行うと良いでしょう。
3.トレーニングはどんなペースで行っていけばいいの
トレーニング間隔を5日以上空けると、トレーニング効果を失ってしまうと言われていますから、忙しくても筋トレは週2~3回行うことが望ましいです。
一例としては以下の感じで行います。
(1)初心者向けローテーション一例
ローテーション一例 | ||||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
実施 | 休み | 実施 | 休み | 実施 | 休み | 休み |
※ 太腿1種目、大臀筋1種目、胸1種目、腹筋1種目、有酸素運動
回復が早い自重トレーニングは毎日行ってもいいのですが、あくまで「行ってもいい」ですので、毎日やらなきゃという強迫される気持ちではなく、余裕をもってトレーニングをしましょう。
しかし、休みでも完全に動かないのではなく、ストレッチ、ウォーキング等軽い運動をする(アクティブリカバリー)とより回復も早く効果的と言われています。
筋肉が発達してくると、それまでのトレーニングでは効果が薄れてしまうので、メニューも次第に増えて次のように変わっていきます。
(2)中級者向けローテーション一例
ローテーション一例その2 | ||||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
休み
|
Aを実施 | Bを実施 | 休み | Aを実施 | 休み | Bを実施 |
※ A……胸2種目、肩3種目、背中1種目、腹筋1種目
B……太腿3種目、大臀筋1種目、ふくらはぎ1種目、腕2種目
このように、より刺激を増そうとすれば、実施するメニューも増えてプログラムも複雑になっていきます。
4.筋トレは「効かせること」を意識する
筋トレを行う際に気をつけてもらいたいことは、見栄をはって自分の力以上の重量を扱ったり、「マッチョになるのがいやだから~」と必要以上に軽い重量でトレーニングを行うことでしょうか。
必要以上に重い重量物だとフォームが崩れてしまい、防衛本能が働いてブレーキがかかります。
そして、自分が効かせようとした箇所に刺激がいきにくくなり、無理することでさらにケガの原因にもなります。また反対に必要以上に軽い重量だと、筋肉に刺激がいきません。
思っている以上に、簡単にマッチョマンにはならないので、どんどんとトレーニングをしましょう。その筋肉を「効かせ」なければトレーニングの効果が薄れてしまいます。
腕立てを例として挙げますが、胸の位置に刺激がいくようにフォームを意識し、地面に接するように深く下げていきます。
また、支えるだけの筋力がないという場合や、疲れてきたら下図のように膝を地面につけても構いません。
胸を鍛えたいのなら、胸に刺激がいくよう意識しながら行うといいでしょう。
5.マンネリ化したら変えてみよう!
「斬新性オーバーロードの原則」というものがありますが、人の筋肉には刺激に適応してしまうと筋力の伸びは頭打ちとなってしまう性質があります。
同じ重量とメニューでは飽きがきてしまいがち。
トレーニングに飽きがきたら、重量やフォームなどで負荷を変え、さらなる刺激を与えていきましょう。
6.何か目標を持ちましょう!
「野球の筋肉は野球でつくられる」
――落合博満
ただ筋トレしていても、単調な動作ばかり繰り返しているだけだと、だんだんと飽きてしまいます。
「体重〇キロ落とす」「あの服が着たい」も大切ですが、達成した後のモチベーションの維持が難しいところもあると思います。
初心者のうちは、まず体を慣らすことが大切です。
しかし、慣れてきたら何かスポーツサークルに参加してみるだとか、個人参加もできるマラソン大会で完走する、定期的に山登りしてみるなど目標を持つと、体も競技や趣味に合った肉体へと変化していきます。